夏の暑い日や冬の寒い日に、エアコンが突然動かなくなると本当に困りますよね。「修理にいくらかかるのか」「修理と買い替え、どちらがいいのか」と、頭を悩ませている方も多いはずです。
エアコンの修理費用は、故障の箇所と交換する部品で大きく変わります。ネットで見かける相場の数字には出どころが不明なものもあるため、この記事では、メーカーが公式サイトで公開している修理料金の目安をもとに、費用の考え方と、修理か買い替えかを判断する材料をまとめました。
なお、掲載している金額は、各メーカーの公式ページで確認できたものです。料金は予告なく変更される場合があります。依頼するときは、各メーカーの最新の案内を確認してください。

修理を頼む前に確認したい5つのこと
修理を依頼すると、見積診断だけでも出張費がかかる場合があります。東芝ライフスタイルの修理料金表には「見積診断後、修理を行わなかった場合、出張費をご負担いただきます」、シャープの案内にも「見積診断後、修理を行わなかった場合でも、出張診断料をご負担いただきますよう、お願いいたします」と書かれています。依頼する前に、次の点を確認しておきましょう。
- 電源・ブレーカーの確認:エアコン専用のブレーカーが落ちていないか。落ちていた場合は一度上げてみます。ただし、何度も落ちる場合は無理に入れ直さず、専門家に相談してください。
- リモコンの電池と設定:電池切れや、運転モードの設定ミスで「効かない」ように見えることがあります。
- フィルターの汚れ:フィルターが目詰まりしていると、風量が落ちたり、冷暖房の効きが悪くなったりします。取扱説明書に沿って掃除します。
- 室外機のまわり:室外機の前や周囲にものが置かれていたり、吹き出し口がふさがれていたりしないか。
- エラー表示・ランプの点滅:ランプの点滅回数やエラーコードは、メーカーの取扱説明書や公式サイトのサポートページで内容を調べられます。修理を依頼するとき、状況を正確に伝えられます。
フィルターの掃除には、エアコン用の専用ブラシなどがあると手入れがしやすくなります。取扱説明書に沿って、無理のない範囲で行ってください。実際の価格やレビューは各ショップで確認できます。
これらを確認しても直らない場合は、無理に分解したりせず、メーカーのサポートや修理業者に連絡しましょう。室内機のカバーを外して内部を触る作業は、感電やけがの危険があります。
エアコンの内部には高電圧の部品があります。電源を入れたまま、カバーを外したり、内部をのぞいたりしないでください。ガス(冷媒)が漏れている場合の補充や、基板の交換は、専門の業者に任せましょう。
メーカーが公表している修理料金の目安
エアコンの修理料金は、技術料・部品代・出張料で構成されると、メーカーは説明しています。東芝ライフスタイルの料金表には、技術料は「故障した商品を正常に修復するための料金」、部品代は「修理に使用した部品代金」、出張料は「商品のある場所へ技術者を派遣する料金」と書かれています。
シャープの出張修理料金の目安
シャープは、メーカー保証期間(購入後1年以内)が終了した製品について、同社に直接依頼した場合の出張修理金額の目安を公開しています(エアコン 出張修理概算料金)。技術料・部品代・出張料を含むおおよその目安とされています。
| 症状 | 交換する部分 | 出張修理料金の目安(税込) |
|---|---|---|
| 冷えない/暖まらない(ランプ点滅・エラー表示など) | 電気回路部品、基板などの交換 | 18,000円〜50,000円 |
| 冷えない/暖まらない(購入後5年以上) | 冷媒回路(圧縮機など)の交換 | 60,000円〜98,000円 |
| 電源が入らない | 部品交換 | 18,000円〜50,000円 |
| リモコンで操作できない(応急運転ボタンでは動く) | 部品交換 | 12,000円〜21,000円 |
| パネルやルーバーが動作しない | 部品交換 | 18,000円〜26,000円 |
| 自動お掃除機能が動作しない | 部品交換 | 18,000円〜26,000円 |
| 水が漏れる | 部品交換 | 18,000円〜50,000円 |
同じページには、次のような注意事項もあります。故障の内容(故障箇所が複数・高額部品の交換など)によって、目安を超える場合があること、冷媒回路とは圧縮機、熱交換器、本体配管を指し、5年間のメーカー保証対象部品であること、高所取付など設置環境によっては特殊作業の費用がかかる場合があることです。
また、見積診断後に修理をしなかった場合の出張診断料は、出張距離20km以内で9,020円(税込)、20kmを超える場合は10kmごとに550円(税込)が加算され、上限は11,330円(税込)と案内されています。
東芝ライフスタイルの出張修理概算料金の例
東芝ライフスタイルも、ルームエアコンの出張修理概算料金表を公開しています(ルームエアコン 出張修理概算料金表)。対象はスプリットタイプのルームエアコン(ハウジング、ネクストエアーを除く)で、症状ごとに、予想される交換部品と修理料金が一覧になっています。一部を紹介します。
| 症状 | 予想交換部品(作業) | 修理料金(税込) |
|---|---|---|
| リモコンを受け付けない | リモコン | 10,000円〜15,000円 |
| リモコンを受け付けない | 室内基板 | 33,000円〜36,000円 |
| 室内機から風が出ない(冷房運転) | 室内ファンモーター | 24,000円〜34,000円 |
| 室内機から風は出るが室外機が動作しない | 室外基板 | 32,000円〜55,000円 |
| 室内機から風は出るが室外機が動作しない | 圧縮機 | 75,000円〜126,000円 |
| 水漏れ | ドレン詰まり | 11,000円〜16,000円 |
| 水平ルーバーが動作しない | 水平ルーバー | 12,000円〜15,000円 |
注意書きには、予想交換部品はあくまで目安で、実際の交換部品や作業が異なる場合があること、複数箇所にわたる故障などの場合は目安の金額を超える場合があること、作業人員が2名以上になる場合は増えた人数に応じて出張料が加算されることが書かれています。料金表に記載の金額は、記載された時点のもので、予告なく変更される場合があるとも明記されています。
メーカー公式の目安を見ると、基板などの電気部品は数万円台、圧縮機など冷媒回路の部品は6万円〜十数万円と、部品によって幅が大きくなります。「エアコン修理の相場はこのくらい」と一言で言えないのは、このためです。

修理か買い替えかを判断するポイント
修理費用の目安がわかったところで、次は「修理するか、買い替えるか」の判断材料です。

補修用性能部品の保有期間を確認する
メーカーは、製品の製造を打ち切ったあとも、修理に必要な「補修用性能部品」を一定期間保有しています。パナソニックの公式ページ(補修用性能部品の保有期間)では、保有期間の始期は「その製品の製造を打ち切ったとき」と定められ、エアコンは10年とされています。東芝ライフスタイルの案内でも、エアコンの保有期間は10年です。
ここで注意したいのは、保有期間は「購入してから」ではなく「製造を打ち切ってから」数えるという点です。購入から10年以上たっていても、モデルによっては部品が残っていることがあります。逆に、古いモデルを中古で入手した場合などは、すでに部品の保有期間が終わっている可能性もあります。型番を伝えて、部品があるかどうかをメーカーに確認しましょう。
修理・買い替えを比べるときの考え方
- 保証期間内か:メーカー保証や販売店の延長保証が使えれば、自己負担を抑えられる場合があります。購入時の書類を確認してください。シャープの例では、メーカー保証期間は購入後1年以内、冷媒回路は5年間の保証対象です。
- 使用年数:長く使っている場合は、修理しても別の箇所が続けて故障する可能性があります。
- 修理費用と、新品の購入・設置費用の比較:修理の見積もり金額と、新しいエアコンの本体価格+工事費を比べます。
- 部品が供給されるか:製造打ち切りから年数が経っている場合は、部品の有無を確認します。
修理費用が高額になりそうなときは、見積もりの内訳(技術料・部品代・出張料)を書面で確認すると、買い替えとの比較がしやすくなります。メーカーに直接依頼する場合でも、販売店や修理専門業者に依頼する場合でも、見積書は忘れずに受け取りましょう。
業者選びで気をつけたいこと
エアコンの修理を、メーカー以外の修理業者に頼む場合は、料金トラブルに注意が必要です。国民生活センターは、トイレや水漏れ、鍵、給湯器、冷暖房設備の修理などの「暮らしのレスキューサービス」で、高額な作業料の請求を受けたという消費者トラブルが増えていると注意を呼びかけています(水回り修理「950円〜」のはずが…数十万円の高額請求に!)。
同センターの発表によると、特にインターネット上の広告がきっかけのトラブルが増えており、「安い価格が表示された広告を見て依頼したら、実際の料金は数十万円になった」といった相談が多くみられるとのことです。消費者へのアドバイスとして、次の点が挙げられています。
- インターネット上の広告の金額表示をうのみにしない
- 地元の工務店や自治体の管工事組合など、信頼のおける事業者を探しておく
- 契約を急かされたり、次々と高額な作業を提案されたりする場合は、作業を断る
- 料金・作業内容に納得できない場合は、その場で支払いをしない
- トラブルになった場合は、最寄りの消費生活センター等に相談する(消費者ホットライン「188」)
依頼するときは、出張費・見積もり費用・キャンセル料が発生するか、作業前に総額の見積もりを出してもらえるかを、電話の時点で確認しておくと安心です。作業を始める前に、書面やメッセージで見積金額を受け取っておくと、後のトラブルを防ぎやすくなります。
「基本料金○○円〜」と表示されている広告は、最終的な請求額と異なる場合があります。作業前に、総額の見積もりを書面で確認し、納得できない場合は依頼を断ってください。

エアコン修理に関するよくある質問
Q. エアコンの修理費用は、結局いくらくらいですか?
症状と部品によって異なります。メーカー公式の目安では、リモコンやルーバーなどの比較的小さな部品交換で1万円台〜2万円台、基板の交換で2万円〜5万円台、圧縮機など冷媒回路の交換で6万円〜十数万円という幅があります(シャープ、東芝ライフスタイルの公開料金より)。実際の金額は、型番と症状を伝えて見積もりを取ってください。
Q. 水漏れはドレンホースの詰まりが原因のことが多いですか?
住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)の解説では、エアコンのドレンホースの詰まりや接合部分のはずれが原因で漏水が発生するケースが見られると紹介されています。東芝ライフスタイルの料金表にも、水漏れの症状として「ドレン詰まり」が挙げられています。ただし、冷媒回路の不具合が原因の場合もあるため、原因の特定は専門家に任せてください。
Q. 賃貸住宅のエアコンが壊れた場合はどうすればいいですか?
備え付けのエアコンの場合は、自分で業者を呼ぶ前に、まず管理会社か大家さんに連絡してください。設備の修理や交換の費用の負担は、契約内容や故障の原因によって変わります。自分で手配すると自己負担になる場合があります。
Q. 保証期間が過ぎていても、メーカーに修理を頼めますか?
はい。保証期間が過ぎた場合も、有料でメーカーに修理を依頼できます。シャープや東芝ライフスタイルも、保証期間外の出張修理の料金目安を公開しています。部品の保有期間が過ぎていなければ、修理を受け付けてもらえる場合が多くなります。
Q. 見積もりだけで断った場合も、費用はかかりますか?
メーカーの案内では、見積診断後に修理を行わなかった場合でも、出張費(出張診断料)がかかるとされています。費用が発生するかどうか、依頼前に確認しておきましょう。
まとめ|目安を知ってから、見積もりで確かめる
エアコン修理費用について、ポイントを整理します。
- 修理費用は「技術料・部品代・出張料」。症状と交換する部品で大きく変わる
- メーカー公式の目安では、リモコンやルーバーなどの小さな部品で1万円台〜2万円台、基板で2万円〜5万円台、圧縮機など冷媒回路で6万円〜十数万円
- 補修用性能部品の保有期間は、製造打ち切りから10年(パナソニック・東芝ライフスタイルの公表値)
- 見積診断だけでも出張費がかかる場合がある。依頼前に確認する
- 広告の金額をうのみにせず、作業前に総額の見積もりを書面で受け取る
修理か買い替えかの判断は、見積もりの金額、使用年数、部品の有無で決まります。修理を依頼する前に、型番・症状・購入時期をそろえて伝えると、見積もりの精度が上がります。焦らず、複数の見積もりを比べながら、納得できる方法を選んでください。


